« 生地の話 (ヴェストのお話とフォーマルヴェストの生地のこと) ヴェストというものがチョッキと訳されたのにはいかなる説があるかといいますと | トップページ | 生地の話 (ネクタイ・ボウタイ・アスコットタイのお話) ということで、ネクタイであるが、これは、英国や米国での呼び方であり、フランスやイタリアではクラバットという言葉を用いている。 »

2011年9月 8日 (木)

生地の話 (ウイングカラーとシャツのお話) そのころのシャツカラーはスタンドカラーがほとんどでしかも現代のスタンドカラーと違いあごの下まで高さのあるハイカラーでした

Dscn0603 Dscn0602 Dscn0600 Dscn0604 生地の話

(ウイングカラーとシャツのお話)

フォーマルの話に入ってから生地のことよりも服種の話になってしまったけど、少しお付き合いください。今日はフォーマルシャツのウィングカラーについて考えてみようと思います。

モーニングのお話の中でもすでに書きましたが、服装というものは常に簡略化(カジュアル化)をしてきました。街着であったフロックコートがフォーマルウエアに昇華し現在では博物館行きとなり、労働着であったジーンズが現代では街着に昇格するといったことです。もちろんシャツも例外ではなく、用途としては本来下着であったものが時代の推移とともに外に見えても恥ずかしくない存在となり、現代ではシャツだけで仕事着としても通用するようになったという風にです。ということで、1800年代前~中半の風俗画を見ますとほとんどの紳士は上着の下にヴェストを着用しておりその中に見えるシャツの前立てはフリルなどで飾られており、襟元はボウタイまたはアスコットタイで隠されており、シャツをじかに見せない工夫をしているように思われます。シャツの襟が確認できるようになるのは1800年代の半ば過ぎになります。そのころのシャツカラーはスタンドカラーがほとんどでしかも現代のスタンドカラーと違いあごの下まで高さのあるハイカラーでした。ここからは想像でありますが、この時代のハイカラーはつまり現代のレギュラーシャツの襟をそのまま立ててしまったような状態でしたから、いくら格好のためには我慢強い紳士といえども、あごのあたりは相当うっとうしかったはずです。そこで一つの工夫がスタンドカラーのフロントネックの突き合わせの部分を大きく開けてあごの部分に当たらないようにする方法、もう一つが襟先を折ることによってじゃまな部分を減らすということでした。そして、ウイングカラーが格好いいということになり、流行っていったのではないかと思われます。ウイングカラーのシャツは当然ですが、現代ではフォーマルシャツそれもモストフォーマルの時の重要なアイテムです。できれば糊づけのカチッとしたカラーとイカ胸(スティッフ・ブザム)、左右合わせて16本のひだが入ったひだ胸(タックド・ブザム)のいずれかの本格的なもので決めたいですね。フロントは本来比翼(フライフロント)ですが、タキシードに着用する場合はスタッズを見せるようにボタン穴が通っているものの方が格好いいです。ところで、カラーが取り外せるのを昔の映画で見たような気がするのですが、実はこちらの方が後から発明されたものらしい。どうもアメリカに渡ってからのシャツの進化は著しく1800年代の前半にこのカラーの取り外しを主婦が考案したことは、いかにこのハードカラーのシャツの洗濯と仕上げが大変であったかが想像できます。当時の麻を中心としたシャツをきっちりと仕上げることの大変さから、襟や胸元だけを取り外して洗濯することで身頃を洗う回数を減らすことができるというわけです。いずれにしてもフォーマルウエアは気楽に着るものではありませんね。

写真右から

1.    右側の写真の襟が苦しくて、左の写真のように突き合わせの部分を開けたのではなかろうか。

2.    これもきっと苦しいんだろうな、涼しい顔してるけど。

3.    現代のモーニングに着るウイングカラー

4.    なぜか片側10本つままれている、タックドブザムのシャツとタキシードセット

« 生地の話 (ヴェストのお話とフォーマルヴェストの生地のこと) ヴェストというものがチョッキと訳されたのにはいかなる説があるかといいますと | トップページ | 生地の話 (ネクタイ・ボウタイ・アスコットタイのお話) ということで、ネクタイであるが、これは、英国や米国での呼び方であり、フランスやイタリアではクラバットという言葉を用いている。 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 生地の話 (ヴェストのお話とフォーマルヴェストの生地のこと) ヴェストというものがチョッキと訳されたのにはいかなる説があるかといいますと | トップページ | 生地の話 (ネクタイ・ボウタイ・アスコットタイのお話) ということで、ネクタイであるが、これは、英国や米国での呼び方であり、フランスやイタリアではクラバットという言葉を用いている。 »

フォト

最近の記事

無料ブログはココログ